こんにちは。今回のブログでは、バークリーの特色の1つである国際的なコミュニティについてご紹介します。学生のほぼ半数が留学生であるバークリーでは、一般教養の科目で色々な言語や、色々な国の文化、音楽の歴史について学ぶことができます。ジャズやロックなどアメリカ系の音楽に留まらず、中東、アジア、ヨーロッパ、南米などなど、まさに世界中の音楽の演奏を学ぶことができる合奏(アンサンブル)の授業が、一週間に400以上に渡って開催されています。

作曲や編曲の授業では、他国の音楽について取り組むこともできますし、自国の音楽の理解を深めることももちろんできます。

Soya Soo 今日は、私が何度かコラボレーションをさせてもらった、マレーシア出身でMusic Production and Engineering専攻を卒業した、Soya Soo (Yew Ping Soo)さんをご紹介します。

現在LAでキャリアを築いているSoyaさん(https://soundcloud.com/soya_soo)は日本の音楽やアニメ文化に傾倒が深く、良い影響を受けているそうです。バークリー在学中から精力的に課外製作に取り組んでいました。私も、色々な国(マレーシア、韓国、インドネシア、台湾、オーストラリア、ノルウェイ、トルコ、日本など)のミュージシャンがコラボレーションする彼のプロジェクト”你YOU by Julia Wu”で、バックコーラスのアレンジをさせていただきました。

今回は、Soyaさんへのインタビューをご紹介します。

<筆者とコラボレーションした曲を選んだきっかけは>
私はこの中国のポップバラードをプロデュースしていたのですが、新しいアイディアが必要だったので、DJMaxというゲームやSoundcloudで知り合った、友人のまこ卯さんに編曲をしてもらえないか打診しました。彼の音楽や編曲や常に素晴らしく、特にポップバラードのジャンルは素晴らしいのです。
加えて、私は義恵さん(ブログ筆者)のアカペラやボーカル曲の編曲が好きで、彼女の歌モノの編曲はいつも音楽を豊かにし、隙間を上手く埋めてくれるのです。というわけで、まこ卯さん、義恵さんとコラボさせてもらって良い作品になることには自信がありましたし、実際良い作品になりました。お二人とご一緒させてもらって本当に光栄です。

<中国と日本の製作での違いはありましたか>
中国の音楽の歌詞は韻を踏むことを意識するのですが、日本語の歌詞はもっと自由なようです。日本語を学ぶ授業を取りはじめてから、日本語の曲は文法に必ずしも従わないことがわかって興味深かったです。それによって、例えば文法的に逆の表現になっていても歌詞が理解できるわけです。例えば「私はご飯を食べています。」という文章が「ご飯を私は食べています。」と書いてもわかりますよね。でも中国語ではこれでは全く意味が通じません。

<なぜ日本の音楽が好きなのですか>
私は植松伸夫さん、久石譲さん、浜崎あゆみさん、One Ok Rockさんら、日本のポップスやロックの大ファンです。私は植松伸夫さん、久石譲さんらの音楽が、歌詞を使わなくともストーリー性を持ち、表現している様子が好きで、これこそ私が自分の音楽で表現したいことです。私が自作した“Memories ~ Orchestra Version ~” は、彼らからインスピレーションを得て、深く影響を受けています。
私は日本語はあまりよくわかりませんが、西洋や中国の音楽やしばらく聞いてから日本のポップスやロックを聞くと、新しいアイディアや創作意欲をかき立ててくれます。

<日本に関連した作品はありますか>
バークリーの友人、Nick Wongさんと松村瑠璃さんと製作したポップスやダンス音楽が進行中です。

<バークリーの日本人学生の印象は>
たくさんの才能ある日本人ミュージシャンと、演奏、作曲や製作過程で出会い、驚かされました。なぜなら、彼らはアカペラ、ブラジル音楽、ラテン音楽、そしてアフリカ音楽など、音楽的に他のアジアの学生より優れているんです。そして新しいことを学ぶのに心を開いています。彼らから学ぶことは常に楽しいです。

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インタビューは以上です。
私も初めて日本や英語以外の言語での編曲を経験させていただき、その言語特有のリズム感や響きの印象の違いなど、興味深い発見が色々ありました。
Soyaさん、インタビューご協力ありがとうございました。

それでは、今週も良い一週間をお過ごしください。

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