˜初めまして!前回までのChopingさんに代わりまして、
これから暫くブログを書く小西と申します。宜しくお願いします◎

簡単に自己紹介だけさせて下さい!
小西遼(Ryo Konishi)
昭和生まれのバークリー1年目のサックス吹きで、
東京にある洗足音楽大学を卒業してから奨学金を頂いて通っています。
基本的にはジャズをやっていますが、ポップスも大好物!!
作曲の授業もやりながらPerfomance Majorの専攻で頑張っています。
映画読書も大好きなので、色々面白いブログに出来たら、と思っています!

基本的には学校での出来事や、僕の音楽生活について書く事が多いと思いますが、
こんなこと教えて欲しい、とか、バークリー入学について書いて、とか、
要望がありましたら出来うる限りは応えて行きたいとは思います!
(恐らく今までの日記に酷似している内容は難しいみたいです。ボス曰く。)

さてさて前置きは、この辺りにしておいて。
サックス吹き小西による、記念すべき初投稿バークリーブログの記事は、
今NYでも大人気のドラマーKendrick Scottのバンド”Oracle”という、
クインテットのライブに関してです!(今回は事情によりカルテットでした。)
僕はGretchen Parlatoというボーカリストの大ファンで、
彼は彼女のデビュー当時からのパートナーなんですね。
(彼を知らない!と、言う方はこちら。http://www.kendrickscott.com/live/ )


基本的にバークリー主催で行われるライブというのは、
クリニックとセットになって行われる事が非常に多いです。
今回はそのクリニックからライブとクリニックの、
非常に濃かった内容をお伝えできたらな、と思います。

アーティストにもよりけりなんですが、
大体バークリー主催のライブが行われる場合においては、
クリニックも同時開催される事が多いんですね。
今回のクリニックは生徒のバンド演奏を聴いて講評をする、
というスタイルを取っていました。
(場合によってはゲストが演奏、生徒とセッションなんて時も。)

生徒のバンドは3個ほどありまして、恐らく授業からの選抜だったのだろうと思われます。
と、言いますのも割と代わった編成のバンドが多く、チェロやヴァイオリンなどがどのバンドにも存在し、
代わりに一般的なカルテットなどの編成はありませんでした。
それでも流石は選抜学生。素晴らしい楽曲と演奏能力を疲労して、学生の演奏でも拍手が!!
やはりこうやって、身の回りに居る素晴らしい学生が モチベーションにも繋がるので、
そこらへんもバークリーの大きな魅力ではあると思いますね。
さて、そんな演奏に対するKendrickの講評はというと。
(3バンドに共通していた事を書いてみますね。)

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大きな命題として
“Be creative, and Don’t be afraid to jump in music to make it creative.”
”クリエイティヴになれ、そしてクリエイティヴ になる為に音楽に飛ぶ込む事を恐れるな。”
と言う事を根幹にしてKendrickは話していました。

例えば曲のリズミックな部分に対するドラマーのアプローチに対して、
そのリズミックさを引き立たせる為の呼び込みをする事がとても大切だと。
そしてそれは勿論ベースやピアノとのコミュニケーションでなりたっているのだから、
音色やどのような方法で呼び込むのかも大切だと。

恐らくこれを読むミュージシャンやバークリーに興味がある方には、
「そりゃそうでしょう」と思う所も多いと思うのですが、
彼がこれを言う所の面白い所は、 彼は練習した事は本番ではやるな、と。
つまり、心や体から湧き出て来るものをナチュラルに演奏しようと言うんです。
練習室で練習した物は練習室に置いて来い、って言うんですよ。面白いですよね。
それはいずれ、体から自然に出てくる様になるまで放っておけって事なんです。
彼はWayne ShorterやHerbie Hancockと共演しながら腕を磨き、
特に彼自身はTerence Blanchardに鍛えられたのだと言っていましたが、
彼らは兎に角クリエイティヴである事の大切さを教えてくれたそうです。
「好きなことをしていいよ!でもクリエイティヴにやるんだよ。」といつも言っていたそうです。
それは何か知っている言葉を繰り返すのではなく、何か新しい物を常に探せと。
同じメンバーで、同じ曲を演奏したとしても、二度と同じ演奏には成らないのだから!
そう力説している彼はこんな面白い話をしてくれました。

HerbieがMiles Davisとライブを重ねている最中、
Herbieが前にも似ている同じ様な弾くとステージ横で、
あくびをする真似をしてみせたそうです。「退屈だ」と。

とってもMilesらしいですよね。そんな中で育ってきた人に鍛えられているんだから、
そりゃあクリエイティブ対する厳しさは増して行くだろうな、と思いました。

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クリニックのときも一度「こんな風にやるんだ!」と、演奏してくれたんですが、
ライブはそれを体感する様なステージがくり広がっていました。
クリニックの内容は言葉に書き表せるのに、やはり音楽そのものは形容しがたいですね。
もともとはギターとサックスがフロント、それにピアノトリオという形なのですが、
まあもう凄腕ばかりが揃っているバンドで、

Kendrick Scott, Drums
John Ellis, Tenor Sax
Taylor Eigsti, Piano
Joshua Crumbly, Bass

と言う面子。ベースはかなり若手(20歳だとか。)で、まだ無名ですが、
なんだかこちらの若手は、このレベルなのかと非常に驚くクオリティでした。
ピアノのTaylorはGretchen ParlatoのバンドでKendrickとは長い付き合い、
その事もあってか、このバンド”Oracle” はこのTaylorとKendrickのコンビで
大体のサウンドが作られていると言っても良いでしょう。
それというのもリズムやダイナミクスでの音楽の流れの掴み方が、
僕には似ている様に思えて、凄く流れがスムーズなんですね。
分かりやすいリズムなどでコンピングしたりしながら大きな流れにする。
そんな大きな流れだからちょっと大きくなったり小さくなったりでも、
すっごく効果的に聞こえるんです。詳しくはこちらから!

http://www.npr.org/event/music/148090777/kendrick-scott-oracle-live-at-berklee

自分の動画も貼りたいんですが、貼り方がいまいち分からず。。。
(すみません。 後日貼付けますので。
John Ellisも凄く格好良かったのですが、圧倒的にKendrickに眼がいってしまいました。僕は。
勿論、音色やリズムも素晴らしいのでバンドとしての固まりに強さを感じて、
Body and Soulなどもフィーチャーされて居ました。説得力や無理の無さにも納得。
曲全体の構成などはモーダルな曲が多く、スウィングよりかは8th系の多さがめ目立ちました。
似た様な雰囲気が続くと言えば続くのですが、ぐるぐると続くグルーヴに埋もれているのは、
とっても気持ちが良かったのでいくらでも続いてくれと思ってしまうライブでした。
それはやっぱりケンドリックの音色や発展のさせ方に大きな要因があるんだろうな、と。
これからもドンドン大きくなっていくアーティストだけに眼が離せません。

今現在は自分のレーベルを立ち上げつつ、まもなくそこから、
新しい自分のアルバムが出るのだそうです。何かありましたら、
またこちらの方に書かせて頂きたいと思います。

最初から長々としてしまいましたが、これからも何卒宜しくお願いします。
ペースとしては一週間〜二週間に一度あげて行ければと思います。
次回は友人とのレコーディングセッションか、
間もなくバークリーへやって来るIngrid Jensenの事について書こうと思います!
それでは皆様お元気で。

小西

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