バークリー卒業生であり、ボストン在住の音楽家Yuki Kanesakaさんへインタビュー。
パート2である今回は、Yuki Kanesaka流・音楽の作り方についてです!
Part2 「音楽をハプニングさせる瞬間〜Yuki Kanesaka流音楽の作り方〜」
Q:Yukiさんは、音楽をどんな風に作り出していくんでしょうか?
A: やっぱりセッションしながら音楽作ってく。
一緒に弾いてると、それぞれのプレイヤーのバックグラウンドみたいのが分かってきて、
それをなるべく早い期間でアナライズして。そういうのが感受性で分かるようになると、
音楽をハプニングさせる瞬間が分かってくるようになるんだよね。
その瞬間が最高に気持ちいい。
「このグループ今良いサウンドしてるわ!」っていう勘とか瞬発力みたいなもので、
音楽と会話しながら、音楽とセッションしながら音楽を作っていくっていうか。
Q:セッションをすることが本当に大事なポイントなんですね。
A:バークリー時代も、学校の先生であろうが、誰であろうが、全然関係無かった。
学校のRating(アンサンブルのクラスのレベルのこと)は低かったけど、でも全然高い
Ratingのクラスも取らせてもらってた。先生が、僕の演奏を分かってくれたら、
もうRatingとか関係ないからね。
自分に合う音楽と合わない音楽があるだけで、レベルとかじゃなくて、もうテイストが
活きてるか活きてないかの問題だから。絶対ボブ・ディランのギターは真似できないし、
ボブ・マーリーの歌は誰にも真似できないし、だからってボブ・マーリーが
インプロビゼーションテクでレベル7取れるかっていうとそんなわけなくて、
でもレベル7取れる音楽家がだめかって言ったらそんなこともなくて。
音楽はレベルとかよりも、もっと、テイストとか愛とか、メッセージとか、
そういう部分がすごい重要で。セッションするときも、メッセージを伝える
ために必要なピースをずっと集めてるって感じだったな。
Q:セッションしていく中で音楽をハプニングさせたり、こういうことをすると
気持ち良いなと分かることって言うのは、Yukiさんにとっては最初から感じられる
ようなものだったんですか?それとも経験を通してだんだん感じられるように
なっていったものなんですか?
A:先天的な直感がないとすれば嘘だけど、経験は間違いなく役に立ってるよね。
今は、何かひとつ音楽のトピックを話してくれて音楽を聴かせてくれれば、
「だったらこうだよね」っていう橋渡しは絶対に出来る。自分の音楽のテイストの
中でも勝負出来るし、その人のテイストを活かすことにもつながるし。
Q:今はプロデュース業が多いですか?
A:プロデュース業がほとんどだね。
Q:でもプレイヤーとしてもものすごく活躍されてて、この間ライブを見させて
頂いたときは、本番中に他のプレイヤーと一緒にその場で作り込んでいく、
というスタイルがとっても面白かったです。
A:ステージの上ではね、その場で作り込んでく。ある程度のものは事前に作って、
でも最終型の見えないものが生の演奏だからね。僕はステージでも弾くし、
スタジオでも弾くけど、ステージの上では、いつでも現時点でのアップデートに
なるのね。でもスタジオの中では、求められてる絵を探すことの方が重要だから、
いつも下書きはあるね。
Q:自分がプレイするときは、下書きは作らないんですか?
A:あるけど、常にアップデートしているから。その方が面白いじゃん。
Yukiを見に来てくれたお客さんにとって、記録として出てくるものを僕がプロバイド
するよりも、何が出て来るかわかんないけどとりあえずYuki見に行こうっていう方が、
絶対見る方は面白いだろうし。ジャムりながら音楽を作っていって、そこで一番良いな
というSourceをCompileして1つの音楽にするのはレコーディングでできるけど、
ジャムりながら生まれていくプロセスを見せることは生の演奏でしか出来ないから。
ステージの上で音楽を作るときと、スタジオの中で音楽を記録させていくっていう
のは、もとを辿れば2つとも同じフォーマットなんだけどね。そのベーシックを
バークリーにいるときにずっとやってたんだと思う。
でも実は、打ち込みはもう10歳からやってるし。
Q:10歳から!?
(ジャムセッションをしながら音楽を作っていくというのがYukiさん流なんですね。
本当に音楽がコミュニケーションなんだなぁと感じさせてくれます。
次回は、10歳から打ち込みをやっていたという子供時代についてです!)
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